油性剤(オレイン酸やステアリン酸等の脂肪酸又はリン酸エステル等)は、分子の一端に金属と強く結合する極性基を持ち、かつ長い炭素鎖が結合している極性化合物である。油性剤は金属に強く吸着することにより、金属と金属の直接接触を防ぐ潤滑膜として摩擦減少のために配合され使用されることが多い。
しかし、油性剤は大きな荷重がかかる等で摩擦面が温度上昇した場合には、吸着力が急激に低下し離脱していくことが知られている。
極圧添加剤(ECOLUBE XL-27)は主に金属(鉄や酸化鉄)の摩擦面の温度上昇により、極圧添加剤(ECOLUBE XL-27)の元素 (硫黄)と鉄との化合物から無機化合物の膜である極圧膜を生成する。
この極圧膜は金属より軟らかく、せん断され易いので金属同士の結合を防ぎ、摩耗を減少させ、焼付を防止する。(図1参照)
図1 油性剤と「ECOLUBE XL-27」の作用機構 概念図
*代表物質(硫黄・塩酢化パラフィン・リン酸エステル)が極圧添加剤の作用機構
上記の油性剤、極圧添加剤(ECOLUBE XL-27)の効果を潤滑油基油を含め、温度による作用域の関係を摩擦係数と温度に置き換え概念図として図2に示す。
図2 油性剤と「ECOLUBE XL-27」の概念図
この図2の様に、摩擦面温度があがる事により油性剤が金属表面より離脱し、潤滑効果を失い摩擦係数が上昇する。
しかし、油性剤が潤滑効果を失う前に極圧添加剤(ECOLUBE XL-27)が効果を発揮し、複合的に潤滑油効果を維持させる概念図である。
通常、潤滑油はこの図2のように潤滑効果が連続的に発揮されるように組み合わされている。
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